反ESG投資、米保守派の新スローガンにPhoto:Tanarat Kongchuenjit/gettyimages

【ワシントン】米国の保守派活動家が「環境・社会・企業統治(ESG)投資」を新たなやり玉に挙げようと1000万ドル(約13億6000万円)以上を投じて全国キャンペーンを展開している。少し前には「批判的人種理論(CRT)」を同様に批判していた。

 彼らの狙いは、ESGという頭字語を「ウォーク(woke)の資本主義」に反対するスローガンに変えることだ(woke=人種差別など社会的不公正の問題に高い意識を持つこと)。CRTがその後、学校での人種問題の教え方をめぐる幅広い批判を意味するようになったのと構図が似ている。両方の取り組みの背後では同じ保守派のマネーが動いていることが、各種資料やインタビューから分かった。

 ESG投資では、その企業の気候変動への取り組みや多様性、透明性などを金融的要因として考慮する。ブラックロックなど大手資産運用会社の一部は、これらを考慮に入れることは有益だとしている。