映画を観る親子写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナの影響を受けて、大きな打撃を受けていた映画館。いまだに回復できない業界も多い中で、日本の映画館全体の興行収入はコロナ以前の平均的な数字にまで戻ったのだという。映画館に人が戻ってきた背景と、訪れたくなる最新の映画館設備について、「訪れたい映画館」として評価の高いグランドシネマサンシャイン池袋などを運営する佐々木興業社長の佐々木武彦氏に話を聞いた。(清談社 小森重秀)

アメリカが苦戦する一方で
日本が回復基調にある理由

 映画の本場アメリカでは、新型コロナウイルスの感染対策として新作の実写映画を撮影できない状況が続いた。その影響もあって、アメリカの映画館はいまだにコロナ以前の収益まで回復できていないのだという。

「アメリカの映画館は、コロナ以前は全体で100億~110億ドル(約1兆3500億~1兆4800億円)ぐらいの興行収入でしたが、2020年は23億ドル(約3100億円)、22年もまだ約73億ドル(約9800億円)と、回復に時間がかかっています」

 そう語るのは、大型シネマコンプレックスのグランドシネマサンシャイン池袋(以下、GDCS)などを運営する佐々木興業社長の佐々木武彦氏。

 日本の映画館も20年3月頃からのコロナの流行によって、休館となった映画館が続出。「2カ月ほど上映できない期間が続き、休館明けも座席の制限などで50%しかチケットを販売できないなど、コロナによる痛手は大きかった」と佐々木氏は当時の厳しい状況を語る。