ヴォルノヴァーハで砲撃をうけたバス発着場Photo:Anadolu Agency/gettyimages

 ロシアは8日夜から9日にかけて、首都キーウ(キエフ)をはじめウクライナ各地に向けて何十発ものミサイルを発射し、民間のインフラや防衛産業の関連施設を攻撃した。ロシア軍がウクライナ東部で占領した領土を広げ続ける中、今年に入って最大級の集中攻撃となった。

 ウクライナ軍のバレリー・ザルジニー総司令官(大将)によると、ロシア軍はイラン製の攻撃用ドローン(無人機)8機に加え、上空、陸上、海上からさまざまな種類のミサイル81発を発射した。ザルジニー総司令官は、ウクライナ軍がドローン4機と巡航ミサイル34発を迎撃したと語った。

 ロシア国防省は、民間人2人が殺害された先週の同国ブリャンスク州への攻撃に対する報復として今回の攻撃を行ったと述べた。ロシア当局は、先週の攻撃についてウクライナによる破壊工作だと主張している。ウクライナの情報機関はこの事件への関与を否定した。

 ロシア軍は昨年、ウクライナのエネルギーインフラ施設を標的にしたミサイルによる一斉攻撃を毎週のように行ったが、攻撃のペースはここ数週間で鈍化していた。ウクライナ当局者らは、ロシアでミサイルの在庫が枯渇したことの表れだと述べている。