(3)日本ではどこに「危機の火種」が潜んでいるのか?

 さてこのように今回の金融危機をまとめてみると、話としては取り付け騒ぎが起きた地銀2行の破綻と、リスクを隠した欧州の銀行の破綻に影響が限定されることがわかります。

 リーマンショックのときは世界中の金融機関が証券化されたサブプライムローンの損失を抱えて、いつどこの金融機関が破綻するかが分からないといった巨大な信用不安が起きていました。

 それと比較すると今回の危機は出所が限定的なうえに、その影響も限定的です。しかも主要国政府が共同して信用提供を表明している状況ですから、この危機が世界に広まるリスクは大きくはないと、今、世界の金融関係者はいったんそのように状況を捉えて安心し始めています。

 しかし、日本の金融機関で同じような破綻リスクを抱えた機関はないのでしょうか? 実は一つだけ存在するのです。それが日本銀行です。