「歌舞伎町の相談舞い込む弁護士」から探偵に尾行依頼、“甘い罠”の怖い話風俗で甘い罠にはまってしまった男性。店から誠意を見せろと言われてしまった男性は歌舞伎町の弁護士に相談を持ちかける。弁護士からの依頼で、探偵は店側の男の尾行をすることに(写真はイメージです) Photo:PIXTA

筆者は、吉本でお笑いコンビ「オオカミ少年」で活動する傍ら、探偵事務所の代表を務めています。探偵歴10年の中で私はさまざまな案件を取り扱いました。依頼主もさまざまで、直接相談してこられる方や、知人や探偵仲間からの紹介もありますが、時々弁護士からの代理相談もあります。今回は、弁護士案件で対応した「行動調査」についてご紹介いたします。(探偵芸人 オオカミ少年・片岡正徳、登場人物はすべて仮名)

歌舞伎町の相談舞い込む
弁護士からの急な依頼

 ある日の午後2時過ぎ、不貞調査の張り込み中に電話が鳴ったのでスマホを見てみると、前回も登場した内田弁護士からの着信でした。まだ対象者に動きはなさそうなので、通話ボタンを押しました。内田弁護士は挨拶もそこそこに、すぐに相談内容を切り出してきました。

オオカミ少年・片岡正徳オオカミ少年・片岡正徳

「突然ですが、本日の夜10時から調査をお願いできませんか?」

 内田弁護士は、いつも突然の案件を持ちかけてきます。その理由ははっきりしています。内田弁護士は新宿区の歌舞伎町に事務所を構えており、土地柄からか多くは“人捜し調査”で、「働いている人や知り合いがいなくなったから捜してほしい」「知り合いが歌舞伎町で働いているかもしれないから捜してほしい」などです。