「無料でリスキリング」が熱い!グーグル、マイクロソフト…一流企業の講義を自宅でも写真はイメージです Photo:PIXTA

最近何かと話題のリスキリングだが、本格的にスキルを習得しようとするとお金がかかるものだ。そこで、お金をかけずにできるリスキリング、特に無料でできる方法を探ってみた。また、Chat GPTをはじめ急速にテクノロジーが進化する中で、そもそもどんなスキルをこれから身に付けるべきかも最後に考えてみたい。(取材・文 有井太郎)

なぜリスキリングが注目されたのか
国が5年で1兆円を投じる背景

 リスキリングで新しいスキルを習得したいけど、掛けられるお金には限度がある――。
 
 リスキリングとは、転職を含めて自身の仕事の可能性を広げたり、今後より高い成果を出したりするために、新しいスキルを獲得することだ。
 
 昨年10月、岸田文雄首相が行った所信表明演説では、個人のリスキリング支援に5年で1兆円を投じると表明。一方で、今年1月には育児休業中の人たちのリスキリングを「後押しする」といった趣旨の発言が批判を浴びたのだった。
 
 なぜ、ここへきて国もリスキリングを後押しするほどの機運が生まれたのか。鍵は、「DX人材の不足」だ。
 
 数年前から、企業や社会全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれてきた。その中で必要とされたのが、デジタルやITのスキルを持った人材だ。当初、企業などはそれらのDX人材を外部から取り込もうとしたが、既にスキルのあるDX人材の数には限りがある。であれば、外部から人を取るだけでなく、そもそも今いる社員にスキルを習得してもらう方が現実的ではないか。そこで重視されたのがリスキリングだ。
 
 国としても、日本企業のDXが遅れれば国際競争で後手を踏むことになる。だからこそ、リスキリング支援の姿勢を国策として打ち出しているのである。
 
 実際に、自分の勤める企業がDXを行う中で、リスキリングの必要性を感じている人は多いだろう。また、リスキリング自体はDXに限らず、さまざまな分野で「新しいスキルを習得する」ことを指す。たとえば語学などの習得も含まれる。こういった第二のスキルを身に付けたいというニーズは、昔からあるはずだ。
 
 とはいえ、個人でリスキリングを始めようとすると、お金の問題にぶつかることもあるはず。大学の講座やスクールに通うのはそれなりの費用がかかるし、いきなり高いコストをかけて身になるかわからない分野の学習を始めるのは不安も大きい。そもそも、資金に余裕のある人にしかできないのならリスキリングは広まらない。
 
 何か良い方法はないものか。探してみると、低費用どころか「無料で行えるリスキリング」が見つかってきた。しかも、大企業や国の省庁が行うものが多く、効果不明の怪しい学習ではない。ということで、この記事では無料でできるリスキリングの方法を挙げていきたい。