日本から米国に向かう国際海上コンテナ輸送で、韓国などを経由するトランシップの占める割合が上昇している。2022年は、釜山などを経由して運ばれるトランシップ貨物の比率は4割に達した。サプライチェーンの混乱により抜港の継続などで「直航便神話」も崩れており、荷主がトランシップを前提としたサプライチェーンに組み直す可能性もある。(カーゴニュース編集部)
日本の港湾の存在感が低下
「直航便神話」も崩れる
日本から米国に向かう国際海上コンテナ輸送で、韓国などを経由するトランシップの占める割合が上昇している。海外港湾経由による米国向けを含めた日本積みコンテナ数量(荷受け地ベース)はコロナ前まで回復したが、海外港湾経由を含まず、アジア域内からの差込コンテナを含む日本積みコンテナ数量(母船直航ベース)ではコロナ前から右肩下がりで推移し、日本の港湾の存在感の低下がうかがえる。
2022年は、釜山などを経由して運ばれるトランシップ貨物の比率は4割に達した。サプライチェーンの混乱により抜港の継続などで「直航便神話」も崩れており、荷主がトランシップを前提としたサプライチェーンに組み直す可能性もある。
デカルト・データマインによると、22年通期の日本発米国向けコンテナは、日本受け“荷受地ベース”で64万3834TEU(前年比10.5%増、前々年比0.7%減)と19年以来3年ぶりに60万台を超えた。60万TEU台をコンスタントにキープしていたコロナ前の数量に戻ったと考えられる。
一方、アジア域内からの差込貨物を含む、日本発“母船直航ベース”でみると、22年は38万4347TEU(前年比5.9%減、前々年比で7.8%減)だった。19年は48万9029TEU、20年は41万6864TEU、21年は40万8555TEU、とコロナ禍以前との比較では右肩下がりで推移し、ついに40万TEUを割り込んだ。