「どれだけお金かけたと思ってんの!?」はNG!子どものやる気を伸ばす“言いかえセリフ”写真はイメージです Photo:PIXTA

親子関係はいつでもすれ違う。たとえそれが、わが子の将来を案じてかけた言葉でも、チョイスを間違えれば相手を深く傷つけ、自己肯定感を下げてしまうことも。言葉を発する前に立ち止まり、セリフを“言いかえ”てみると、良好な親子関係が築けるかもしれない。本稿は、大野萌子『よけいなひと言をわかりあえるセリフに変える親子のための言いかえ図鑑』(サンマーク出版)の一部を抜粋・編集したものです。

9歳になるまでは
親の導きが必要

 9歳くらいまでの子どもは、自己判断して行動することが難しいため、親の導きが必要です。以前、私が学習教室で小学生に指導していたときも、「3年生(9歳)までは親の教育」と言われていました。ただし、過剰かつ強引に勉強や習いごとを押しつけるのはよくありません。

 10歳を過ぎると心身が発達して自我が芽生えますから、子どもの意思を尊重して何を取捨選択するか話し合いましょう。子どもに情報を与えたり体験させたりして、いろんなことに興味を持たせることも大事です。

 知ることで興味関心が持てるようになりますから、好奇心を刺激するきっかけを与えてあげてください。選択肢が増えれば、子どもは自分で考えて判断するようになります。

 親の意向も伝えたうえで、本人にとって最適な選択をサポートしましょう。もし失敗しても、リカバリーできれば貴重な経験になります。このとき、マイナス面を直すよりプラス面を伸ばすこと。すると自己肯定感が高まり、次のチャレンジに踏み出せるようになるのです。

勉強しない子どもに
イライラしたときの言いかえ

×よけいなひと言「勉強しなさい!」

◎わかりあえるひと言「勉強しようね」

 国民的アニメの『ドラえもん』で、のび太がいつもママから「宿題しなさい」と怒られているように、子どもに勉強をさせようと苦心している親御さんは多いと思います。でも強制や押しつけで「やらされ感」が強まれば強まるほど、本人はやる気をなくしてしまいます。

 低学年までの子どもは、勉強と言われても何をすればいいかわかりませんし、高学年になると親の命令に反発することも。そうなると、子どもが得意な科目まで嫌いになってしまう可能性もあります。大人もそうですが、やらなくちゃいけないと頭でわかっていることでも、上から目線で「やれ」と言われたらイラッとしますよね。

 子どもも一方的に「命令・強制」されるよりは、「協働」のニュアンスで「勉強しようね」「7時までに宿題終わらせようか」と言われたほうが、やる気になりやすいのです。「協働」といっても、必ずしも親が勉強をこと細かに見てやる必要はありません。親は子どものそばで仕事したりお茶を入れてあげたり、同じ空間にいればいいので、「リビング学習」がおすすめ。

「何かわからないことがあったら声かけてね」と言えば、子どもも安心して勉強に取り組めます。