参院議院運営委員会で質問に答える植田和男日銀新総裁参院議院運営委員会で質問に答える植田和男日銀新総裁 Photo:JIJI

日本銀行の新総裁に植田和男氏が就任し、新執行部がスタートした。日銀の金融政策変更に関心が集まる中で、国際的な金融不安に遭遇した例としては1987年のブラックマンデーがある。金融不安は日銀新執行部の政策にどんな影響を与えるのか。元日本銀行金融研究所所長の翁邦雄氏に解説してもらった。

日銀・植田新体制が稼働
新執行部の2つの課題

 日本銀行の総裁に植田和男氏が4月9日に就任し、日銀新執行部が稼働し始めた。新執行部の課題は、経済の実態に合った適正金利水準を探りながら、副作用があまりに大きくなったYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)修正のタイミングと手法を探ることだろう。

 ……しかし、3月上旬から、やや唐突に米国や欧州で金融不安が広がっている。

 日銀の金融政策の変更に関心が集まる中で、国際的金融不安に遭遇した例としては、1987年の10月に起きた米国のブラックマンデーが挙げられる。

 そこで、ブラックマンデーの経験を参照しながら、日銀新執行部の課題への取り組みについて考えてみよう。