ベンチャーキャピタルは昨年まで、ハイテク企業を辞めて自ら事業を立ち上げる起業家を探していた。大規模な人員削減を受けて多くの人が起業の道を探る現在、ベンチャー投資家たちは以前よりも資金を出し渋るようになっている。調査会社「Layoffs.fyi」によると、2022年初め以降にハイテク企業で職を失った人は33万人を超え、このうち今年はこれまでに約16万8000人に上る。こうした失業者の中には、起業家精神にあふれ、自ら事業を始めるリスクを取るのに適した人たちがいる。高度なスキルを持ち、大手ハイテク企業で何年も勤務したことから財政的に安定している傾向があるからだ。彼らの一部が立ち上げた企業のことを、ある投資家は「リベンジ・スタートアップ」と呼ぶ。