なぜ「分析」「助言」が
できないのか?
さて、ここで質問をさせて下さい。あなたの会社の経理担当者は、先ほどの3つ目のステップ、「助言する」まで行っているでしょうか。ほとんどの場合、1つ目のステップ、「記録する」で終わっているのではないかと思います。その理由は4つあります。
(1)経理で必要な簿記では、「記録する」ことしか習いません。その延長上で仕事をしていると、それ以降に目がいかないのです。それゆえ、「記録する」までで終わっているケースが多くあります。
(2)「分析する」「助言する」をやりたくても、「記録する」ことで精一杯な場合も多くあります。経理の流れが複雑であったり、手間をかけ過ぎていたりする場合は、「記録する」こともままなりません。
(3)経理担当者には、コミュニケーションを苦手とする方が多い印象を受けます。「記録する」「分析する」といった研究職的な仕事は好きでも、積極的に発言する「助言する」を好まないタイプの方をよく見かけます。
(4)決算書を作り、税金を計算するだけなら、「記録する」までで十分なのです。「分析」や「助言」は会社のためにやることであって、税金の計算には必要ありません。そのため、「記録する」で終わっているケースが多いのです。