いつも他人と比べてしまう」「このままでいいのか、と焦る」「いつまでたっても自信が持てない…」。仕事や人生に悩んでしまった時、どう考えればいいのでしょうか。『機嫌のデザイン』の著者であり、数々の名言がTwitterで話題となった、プロダクトデザイナー・秋田道夫氏の「毎日を機嫌よく生きるためのヒント」を紹介します。

「健やかな人間関係」を保つために、やってはいけないことPhoto: Adobe Stock

相手に見返りを求めたり、依存しないために

─特定の人や組織、ブランドに執着せず、適度な距離感を保っている。秋田さんにはそんな雰囲気があります。

そうですね。場所もそうです。

東京のいろんな場所に行っても、大阪に行っても、名古屋に行っても、新潟に行っても、どこに行っても楽しめます。

逆にいえば特定の場所に特別な意味があるわけではなく、その時々で出会う人との関係性でその都度に成立する楽しさだと思います。

よくいうんですよ。愛用すれども、愛着せずと。

─「愛着」は一見、よいことのように思えますが。

たしかに愛でることはよいことかもしれません。

しかしそこには「愛着=執着」という図式があって相手に見返りを求めたり、依存へとつながったりしますよね。

「これでないとダメ」と執着するのは、あまり健やかではありません。

人やものもずっとあるわけでもないし時には壊れもします。

そんな「覚悟」を前提で付き合わなくちゃと思っていますので。

─なるほど。なにごとも永続するものではないという前提に立つと、愛着はむしろ危険ですね。

そういうことです。ようするに、相手に期待し過ぎない。

愛着が過ぎると、ほとんどの場合は失望を生みます。

大事なのは、自分自身を保つことです。

特定のものへの愛着が行き過ぎて、ものが生きている人の生き方を左右してはいけないと思っています。

(秋田道夫著『機嫌のデザイン まわりに左右されないシンプルな考え方』から一部を抜粋・改変したものです)