「将来のお金の不安が尽きない」「貯金や投資なんて余裕はない」「罪悪感で買い物を楽しめない」──​どうすればお金に悩まされず、毎日を過ごせるか? その答えを提示し、世界で累計100万部突破した大ベストセラー『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』がついに日本に上陸した。Amazon.comでは1万件以上の星5レビューが集まり、全米から世界中へと実践者が増えている。ケチケチ切り詰めないし、買い物もガマンしない。お金への意識を変え、行動を学ぶだけで、誰もがリッチな毎日を送ることができる。本稿では本書から一部を特別に公開する。

資産運用の達人が断言する「関わると損する人」1つの共通点Photo: Adobe Stock

「被害者マインド」に染まってはいけない

 自分磨きをするよりも、シニカルでいた方が楽だと思っている人たちがいる。

「笑っちゃうよ! 投資だって! ピザを買うお金すら貯められないのに」

「笑っちゃうよ! 仕事を見つける? どんなお気楽な世界に住んでるんだ……」

「ベビーブーム世代が世の中をめちゃくちゃにしてなければ……」

 人々は誰が最大の被害者であるのかを競い合っているようだ。

 読者にはこの被害者文化の愚かさに気づいてほしい。

 月に20ドルすら貯める余裕がないなんていう演技は断固お断りする。

 本書の初版が出版された際、お金を貯めて投資するよう奨励するなんてエリート主義だと、私を非難する怒りのメールをたくさんいただいた。

 ただ、そうしたシニカルな考え方は間違っている。

 周りにも同じように悲観的な人たちが集まるようになり、信憑性のない議論を受け入れることで、大きな代償を払うことになる。

 数十万ドル儲けるチャンスを、みすみす逃しているのだ。

 そんな人たちを横目に、私の読者たちはリッチな生活を築くために、実際の行動を始めている。

自分がコントロールできることだけに集中せよ

 選択するのはあなただ。シニカルになるのか、それとも選択肢を慎重に比べるのか。

 間違いを犯すこともあるだろう。ただ、その度に必ず成長する。

 私たちは与えられたカードで勝負しなければならない。自分でコントロールできることだけに集中すべきだという考え方だ。

 例えば、私は幼稚園に入った時点で、すでにNBAのバスケットボール選手になれないことは明らかだった。

 一方で、英語のスペリング競争ではクラスメートをちびらせるほど圧倒できることも明らかだった。これらはある意味、白黒がはっきりしている分野だ。

 ところが自分ではうまくできるかどうかがわからない、グレーな分野もある。

 例えば、起業する、より健康になる、デート相手を楽しませる腕を上げる。これらのスキルは自ら学習せねばならず、ハードワークを必要とした。

 まさに被害者マインドの餌食になりやすい分野だ。

 多くの人は自らの行動を省みることもせず、政治家や社会の愚痴を言う。失敗しそうになれば、すぐに匙を投げる。

 もしあなたが人生を他人に委ねる、単なる船の乗客になりたいのであればかまわない。流れに身を任せればいい。

 だが私は、ときに航路を外れることがあったとしても、船長になって自らの手で舵取りをした方がずっと楽しいということに気づいた。

 不満ばかり漏らして行動に移さない人には、全く同情しない。だからこそ、この本を書いている。

リッチな生き方を実現するためには、行動するほかない

 あなたは被害者ではない。お金の主導権はあなたにある。

 この考え方をものにすれば、守る側から攻める側に回ることができる。

「パーソナル・ファイナンスのあらゆる面を完璧にしなければ、お金の運用を始めてはならない」という偽りの呪縛にとらわれることはなくなる。

 チーズサンドイッチをつくるのに、料理の鉄人になる必要があるだろうか? そんな必要はない。一度料理をしてみれば、次からはより複雑な料理をこなせるようになる。

 リッチになるために唯一最も大切なことは、とにかく始めることだ。一番賢くなることではない。

(本原稿は、『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』からの抜粋です)

ラミット・セティ Ramit Sethi

ウェブサイト「I Will Teach You To Be Rich」を運営し、お金やビジネス、心理学について幅広い読者に向けて情報を発信している。これまでにThe New York Times、Fortune、The Wall Street Journalなど多くの経済メディアで取り上げられてきた。スタンフォード大学でテクノロジーと心理学を学び、現在は妻とニューヨークに住んでいる。2023年4月より、Netflixでラミット・セティを特集した『ハウ・トゥー・ゲット・リッチ』が全世界に配信。