突然だが、あなたの職場の「仕事ができる人」を何人か思い浮かべてみてほしい。おそらくその人たちには、「数字に強い」という共通点があるのではないだろうか? 
全国3000社が導入し、大きな反響を呼んでいるマネジメント法「識学(しきがく)」の代表・安藤広大氏の近刊『数値化の鬼』は、まさに「数字に強くなる=仕事ができるようになる」という発想で、「数値化」の思考法を伝授する1冊だ。
本稿では、シリーズ累計70万部を突破している本書より一部を抜粋・編集して、「仕事ができない人」に共通する“学生レベルの思考”を明かす。(構成/根本隼)

「仕事ができない人」に共通する“学生レベルの思考”とは?Photo:Adobe Stock

「平均を超えたから大丈夫」は学生レベルの発想

 仕事をするうえで、数字に向き合わずに成長できる人は、1人もいません。しかし、数字を見るときには注意が必要です。

「自分は平均より上だから安心だ」

 仕事の中で、こんな感覚を覚えたことはないでしょうか。おそらく学生時代からのクセで、テストの平均点が割り出され、それより上か下かで判断してしまう考え方です。

「平均」にダマされてはいけない

 3つのチームがそれぞれのエリアごとに営業をしているとします。

Aチーム⇒売上1000万円
Bチーム⇒売上600万円
Cチーム⇒売上200万円

 この場合、3つのチームの売上の合計は1800万円となり、平均は600万円となります。

 では、Bチームの売上の600万円と、平均の600万円は、同じ意味なのでしょうか。Bチームは平均をクリアしているから安心してよいのでしょうか

 もしかすると、Bチームの担当エリアは、競合が少ないのに人口密度が高く、他のチームに比べて有利な条件が揃っているかもしれません。

 そういう状況なのに、「自分たちは平均をクリアしているから大丈夫だ」と思い込んでしまうと、Bチームの成長が止まります

都合のいい数字を見ているうちは成長しない

 平均は机上の空論の数字でしかありません。ダメな研究者は、自分の見たいデータだけを集めて恣意的に研究結果を操作すると言われます。

 そのようなことを仕事でやってはいけません。自分たちのやってきたことを「正しい」かどうか判断しれくれるのは、あくまで他者からの評価です。

 平均のような都合のいい数字を見るクセはやめるようにしましょう

(本稿は、『数値化の鬼』より一部を抜粋・編集したものです)