11×11~19×19をパパっと暗算できる「おみやげ算」。新刊『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』は、小学生の計算力強化はもちろん、大人の脳トレとしても役立ちます。本書の著者である、東大卒プロ算数講師の小杉拓也氏に、「植木算の考え方」にもふれながら、わかりやすく解説してもらいました。
おみやげ算のおさらい
さっそくですが、おみやげ算の計算法について説明します。
(例)15×17=
①15×17の右の「17の一の位の7」をおみやげとして、左の15に渡します。すると、15×17が、(15+7)×(17-7) =22×10(=220)になります。
②その220に、「15の一の位の5」と「おみやげの7」をかけた35をたした255が答えです。
まとめると、15×17=(15+7)×(17-7)+5×7=220+35=255です。
この2ステップで、例えば、14×14、18×15、16×19などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると暗算もできるようになります。
「おみやげ算で計算できる理由の証明(文字式を使った説明)」については、本連載の第2回『「16×18=288」が爆速で暗算できる驚きの方法』に掲載しています。
また、小学生向けの理由の説明は、新刊『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』の巻末に、長方形の面積図を使った方法を載せているので、興味のある方はご参照ください。
12mおきに18本の木が立っている池のまわりは何m?
まず、次の問題をみてください。
このような問題は、植木算と呼ばれ、中学受験の算数などで出題されることがあります。なお、今回の問題は、4月29日や5月1日に配信したのとは違うパターンの植木算です。では、さっそく解いていきましょう。
植木算を解くとき、「木と木の間の数」に注目することがポイントです。紙などにかいて確かめるとわかりやすいのですが、池のまわりに3本の木をかくとき、「間の数」も3になることがわかります。
このように、池などのまわりに木を植えるとき、木の本数と「間の数」は同じになります。「間の数」が3なので、5mに3をかけた、(5×3=)15mが答えとなります。【問題1】をふまえて、次の問題を解きましょう。
【問題1】と同様に考えると、「間の数」は、(木の本数18と同じく)18です。そのため、12mに18をかけた結果が答えになります。
「12×18」は「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」なので、おみやげ算で次のように計算できます。
①12×18の右の「18の一の位の8」をおみやげとして、左の12に渡します。すると、12×18が、(12+8)×(18-8) =20×10(=200)になります。
②その200に、「12の一の位の2」と「おみやげの8」をかけた16をたした216が「12×18」の計算結果です。
まとめると、12×18=(12+8)×(18-8)+2×8=200+16=216です。
池のまわりの長さは「216m」ということですね。スムーズに求められたでしょうか。
おみやげ算ができるようになれば、【問題2】を10秒以内に暗算することも可能です。さまざまな計算法がありますが、おみやげ算を、そのひとつに加えてみるのはいかがでしょうか。まずは、11×11~19×19の暗算をマスターしましょう。小学生の計算力強化はもちろん、大人の脳トレとしても役立つ、新刊『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』がおすすめです。