いま、なぜ企業に「ワケあり人材」が必要なのか?
離職・退職による人手不足を防ぐほかに、「ワケあり人材」が企業にとって必要な理由が3つあります。
ひとつ目は、「ワケあり人材」の仕事のモチベーションの高さです。彼ら彼女らは、自らのスキルや知識、経験を生かせる場に飢えているからこそ、仕事に対するピュアな気持ちを持っています。自らが共感する、企業のビジョンやミッションに対して、真摯に向き合い、目標や成果に向けて試行錯誤しながらも前進する姿勢は、周囲の社員にも良い影響をおよぼすでしょう。
ふたつ目は、「ワケあり人材」が、イノベーション創出や事業創造の種となる“不”に敏感であるということです。昨今、多くの企業が、イノベーションや新事業の創出に向けた取り組みを加速させています。そのような過程で重要なのが、世の中の課題=不(不足・不満・不便など)に対して敏感な彼ら彼女らの視点です。自分自身に困りごとがあるからこそ、周囲の悩みや世の中の問題・課題を理解することができるのです。企業が事業創造に取り組むうえで、サステナブルな企業経営や社会を目指すうえで、「ワケあり人材」の着眼点やアイデアは示唆に富むものになるでしょう。
3つ目は、「ワケあり人材」の存在がD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の促進につながるということです。ダイバーシティが進んでいる企業は、ダイバーシティが進んでいない企業よりもイノベーションによる売り上げが高いという調査結果もあります。イノベーションの根本原理は、「知と知の新しい組み合わせ」であると言われており、多様性のある組織に比べて、同質性の高い組織はイノベーションが起こりにくいことをご想像いただけるのではないでしょうか。また、イノベーションの創出や新たな事業を育みたいと考えるのであれば、年齢や性別、国籍といった“表層のダイバーシティ”だけではなく、経験や知識、価値観といった“深層のダイバーシティ”の推進が重要になります。
こうした3つの理由から、「ワケあり人材」の採用&登用は、これからの企業にとって、とても意義のあるものになります。