首都圏での支持拡大に向け
維新は「先進性」をアピールすべき
岸田首相は4月上旬、対話型AI「ChatGPT」を開発したOpenAI社のサム・アルトマンCEOと官邸で会談した。一国の首相が、海外企業のトップと会談の場を設けるのは異例である。
岸田首相がこの種の活動を継続し、デジタル政策の改善を急ピッチで進めるようであれば、自民党は弱点のない「最強の包括政党」と化してしまう。
維新がこの事態を防ぎ、支持基盤をさらに拡大するには、自民党とは異なる方向性での「新しさ」を前面に打ち出すべきだろう。
実は維新は、「公文書の総デジタル化と、ブロックチェーン技術による改ざん防止」「インターネット投票の実現」「中央デジタル通貨の研究開発」といった“政策提言”を行っている(参考資料)。
だが、お膝元の関西を離れた首都圏に、こうした戦略はどれほど伝わっているのだろうか。
首都圏で支持層を獲得するためには、「デジタルに強い先進的な政党」を印象づける広報戦略への転換は急務である。
現在の状態では、自民党への不満を吸収する存在ではあっても、全国的な支持は広がらないだろう。だからこそ、維新は社会の変化にいち早く対応し、「デジタル・イノベーション党」に支持される一大政党を目指すべきだといえる。