「四球でガッツポーズ」を早大野球部・小宮山監督が認めた訳、観客の苦言あっても…東京六大学野球 2023春季リーグ戦 早稲田大学・立教大学の2回戦(4月23日)の模様

東京六大学リーグ、春季リーグ戦が始まった。早稲田大学野球部は東京大学に9-1、14-1と連勝。続く立教大学にも8-2、11-3と完勝した。このうち立教2回戦では印象的な一幕があった。早大の打者が四球を選んだ際、ベンチに向かってガッツポーズをしたのだ。野球の世界では一般的に、相手のミスに対して感情をあらわにすることは「マナー違反」とされる。実際に、観客からは苦言のやじが飛んだ。だが早大野球部・小宮山監督は、このガッツポーズを認めた。それはなぜか――。(作家 須藤靖貴)

早大打線が絶好調
4戦終えて5割打者が2人

 投打がかみ合っての開幕4連勝だ。小宮山悟が母校・早稲田大学野球部の監督に就いて以来、連続勝ち点奪取は初めてのことである。

 例年はこの時期に、いささか芳しくない雰囲気があった。小宮山が就任当初の2019年春には開幕の東大戦に連勝したあと明治に連敗。2021年春は東大に1分けを喫し、続く立教戦で連敗している。

 今春はそんなイメージを完全払拭した。寒の戻りでやけに風が冷たい神宮球場。東大戦も立教戦も寒かった。それでも、応援部の力強い鼓舞も相まってスタンドは熱気を帯びた。

 得点のたびに繰り返される『紺碧の空』。この寒い中、早稲田サイドの応援席では生ビールで祝杯を挙げる御仁の姿も多く見られたのだった。

 監督が「今シーズンは期待できる」と語気を強めていた投手陣がいい。エース・加藤孝太郎を中心に堅調。1試合の平均失点は1.75である。

 そして打線が元気。とにかくよく打つ。