昨年来、人気を集めているソーシャルマッチングサービス。以前、小欄でも紹介した「ソーシャルランチ」を筆頭に、「CoffeeMeeting」「肉会」など、多くのサービスが誕生したことは記憶に新しい。
それだけに、各サービスとも戦略の見直しや、さらなる差別化を図る動きが活発化している。例えば、この2月から「ソーシャルランチ」は、就活生向けのマッチングサービスに舵を切りなおした。社会人向けのビジネスランチ交流サービスから「ランチ時間を利用したまったく新しい学生向け就職支援コミュニティ」へとリニューアル。「学生と社会人の交流の場」の提供へと、サービス内容を絞り込んだ。
会社を離れての「異業種交流」としてソーシャルマッチングが流行る一方で、社員同士のコミュニケーションを深めたいと考える企業もある。その一環として推奨されているのが「シャッフルランチ」だ。やり方は各社それぞれだが、普段交流の少ない社員同士をグループ分けして定期的にランチを共にするスタイルで、企業によってはランチ代を負担しているところもある。
社員同士のコミュニケーション不足に悩む企業は多いと思われるが、実際には「誰と誰を組み合わせるか?」「ランチ設定後の情報伝達を円滑に行うにはどうするか?」などの課題もある。アナログなやり方では負担が大きいのは目に見えており、そのせいか、「シャッフルランチ」を実行している企業は、自前で専用プログラムを作れるIT系企業が目につく。今のところは、もともと風通しの良い社風を持った企業が実践しているといったところだろう。
そんな中、こうした「シャッフルランチ」を法人向けにパッケージングして提供するサービスも登場しつつある。株式会社オールアバウトエンファクトリーの副業プロジェクトとして開発され、今春リリース予定の「社内交流ランチ」の場合、ランチメンバーの設定から実施、その後のフィードバックまでを簡単に導入できる仕組みを提案。ランチメンバーの選定は、まったくのランダムではなく「自身の業務に生かせる人」といった希望も反映できるという。
現在はまだトライアルということで、無料で導入企業を募集している段階。「シャッフルランチ」に関しては、「すぐにマンネリ気味になる」「ランチ代の負担増」など「始めてはみたもののうまくいかなかった」という声も散見される。こうした課題をどうクリアしていけるかが、今後の成功の鍵を握るといえそうだ。
(中島 駆/5時から作家塾(R))