社内のコミュニケーションを活性化し、情報流をスムーズにするには、コミュニケーション・プラットフォームが貢献する。しかし、いくつも導入さえすればよいのではなく、下手するとバラバラの情報系システムが混在するという事態に陥りかねない。目的に応じて適切なものを選択することが大切だ。また、プロジェクトに求められる要件もそれぞれ異なる。

 では、各コミュニケーション・プラットフォームの位置づけと使い分けをどう考えればよいのだろうか。

三つのプラットフォームの違い

 三つのコミュニケーション・プラットフォーム(①インフォメーション、②エキスパート、③ソーシャル)は、機能的に若干の重なりはあるが明確に性格が異なるものだ。

 誰がユーザーかで考えてみよう。インフォメーション・プラットフォームは全社的な情報基盤となり、ほとんどがユーザーとなりうるが、エキスパート・プラットフォームは研究開発など一部の専門性が高いユーザーが中心だ(応用地質のようにほとんどの社員が専門家の場合は全社的になる)。

 ソーシャル・プラットフォームは、ユーザーの自主性に任される色彩が濃く、全社あるいは例えば研究開発部門全員を対象に導入するといったことが難しい。つまり、一部の積極派ユーザーに供するものとなり、他のプラットフォームの補完的な位置づけに留まる。社内SNSは魔法のツールのように言われている向きもあるが、利用者普及率の限界、コントロールできない、という課題を理解しておくことだ。