「教育費」のために貯蓄に励んだら
自分の老後資金が足りなくなっていた!
進級、進学の季節です。お子さんがいる方の中には、入学時に必要な支払いをすませ、「今まで貯めた教育費は子どもの卒業まで足りるだろうか」と不安になった方も多いのではないでしょうか。
よく教育費の貯め方や目標にする金額が話題になりますが、実は「教育費」という目的の色を付けすぎた貯め方をするのは、私はよくないと思っています。平たく言うと、口座や貯金の中の金額を「この貯金は教育費」と線引きをし、そこの中のお金は全て教育のためだけに使うというようなことです。
こうすると、「教育費分は確保できているからいいや」と他の資金への関心がおろそかになり、無駄遣いをしてしまったり、教育費以外のお金を全て使ってしまったりということが起こります。
教育費を貯めることに集中しすぎるあまり、他に必要な資金が見えなくなってしまうのです。そういう人ほど、「子どもが卒業するまでに教育費が足りるかどうか」は気にしても、「自分たちの老後資金は足りているだろうか」というところまで気を配れない。その結果、子どもが手離れした60歳前後になってから老後資金が不足していることに気が付き、慌てるのです。