2人の著名なデザイナーと
3人の文化勲章受章者

 国宝に指定され、世界文化遺産にも登録されている姫路城。その北側にある県立姫路西高校は、兵庫県で最初に設立された組合立姫路中学校をルーツとする。

 ファッションとグラフィックそれぞれの分野で、デザイナー界の大御所的な存在といわれる2人が、姫路西高校(略称「姫西」)の卒業生だ。

写真:ファッションデザイナーの高田賢三ファッションデザイナーの高田賢三 Photo:Victor Boyko/gettyimages

 ファッションデザイナーの高田賢三は、1960年代からパリで活躍し、異文化融合的なデザインで人気を博し国際的なブランドを確立した。

「姫西」から、神戸市外国語大を経て文化服装学院に進み、パリでプレタボルテ「KENZO」店を立ち上げた。本人を含めきょうだい計7人のうち、5人が「姫西」の同窓だ。2020年10月に死去した。

 グラフィックデザイナーでは、高田より8学年先輩の永井一正がいる。東京芸術大彫刻科を中退し、日本デザインセンター創立に参加した。72年の札幌冬季五輪のシンボルマーク(エンブレム)に、永井案が採用され脚光を浴びた。JAやアサヒビールのロゴなどでも有名だ。

 20年東京五輪(実施は21年)のエンブレムを決めるデザイン選考委員会では、審査委員長を務めたが、一度決めたエンブレムに盗作疑惑が出て撤回に追い込まれた。29年4月生まれ。

 文化勲章の受章者が3人いる。

 いずれも前身の旧制姫路中学の卒業であるが、史料に基づく実証的な日本史学研究をした辻善之助、『古寺巡礼』『風土』などの著作で知られる哲学者、文化史家の和辻哲郎、それに落語家の3代目桂米朝だ。

 米朝は、落語界から2人目の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、09年に演芸界初の文化勲章受章となった。15年3月に死去した。