スタートアップ最前線Photo:123RF

スタートアップは成長投資が先行し、赤字でもやむを得ないと見られがちだ。だが、本業の損失が数年単位で積み上がれば、資金繰りや事業の優先順位付けといった現実問題が一気に重くなる。そこで注目したいのが営業損益である。営業損益は金融収支や特別損益の影響を受けにくく、本業の体力を映す。長期連載『スタートアップ最前線』では、新興市場上場企業を対象に、過去3期の営業損益の合計で赤字が大きい順にランキングを作成した。3年間で営業赤字が150億円を超えた企業は4社に上る。赤字が膨らんだワースト50社の顔触れを見ていこう。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

営業赤字は「本業での失血」
3年合計で見える持久力と危うさ

 スタートアップの評価は、ユーザー数や導入社数、将来の市場規模といったストーリーに引っ張られやすい。しかし、営業損益の赤字は本業でどれだけ血を流しているかを示す。単年度の赤字は投資局面として説明できても、3年合計で巨額のマイナスが続けば、資金の持久力そのものが問われる。

 今回のランキングは単年のぶれをならすため、過去3期の営業損益の合計に着目した。対象は東証グロース、札証アンビシャス、名証ネクスト、福証Q-Board上場企業のうち、2000年1月以降に設立された企業。直近の本決算(データは2月13日時点)を基に、過去3年の営業損益の合計が小さい順(赤字が大きい順)にワースト50社を並べた。過去3期で決算期変更があった企業は除外している。

 ワースト50社の業種の内訳を見ると、医薬品が26社、情報・通信が10社と、研究開発費や先行投資が重くなりやすい領域が中心だった。赤字の背景は一様ではない。宇宙や創薬のように「将来の大きな収益機会」を狙う投資型の赤字があれば、コスト構造や競争環境の変化で採算が崩れた構造的な赤字もある。

 それでは次ページで、過去3年に本業で大赤字となったスタートアップ企業の実名を見ていこう。