ベルクPhoto:Diamond

生鮮食品やお総菜、日用品が店頭に並ぶスーパーマーケットは、人々の生活に欠かせない存在だ。ただ、店を訪れる層はファミリーやシニアが多く、若年層の取り込みに苦心している店舗も多い。そんななか、埼玉を中心に首都圏で店舗を展開する食品スーパー・ベルクは、ユニークな販促戦略で10代~20代のいわゆる“Z世代”の集客に成功し、注目を集めているという。(清談社 真島加代)

ベルクとヤオコーが
埼玉県内で競い合える理由

 スーパーマーケットの店舗数は全国で約2万3000店。各地で私たちの生活を“食”で支える存在だが、日本の人口減少によってスーパー業界は、大きな転換期を迎えている。埼玉県を拠点とする食品スーパー、ベルク社長の原島一誠氏は、日本のスーパー市場の現状についてこう語る。

「食品スーパーの出店は、その地域の人口と深く関わっています。人口減が問題になっている地方では、新規店舗を出すのが難しい状況です。一方、首都圏は人口の減少がゆるやかなので、新たな店舗を出しても来客が見込めます。地方と首都圏とでは置かれている状況や、抱えている課題が大きく異なる。当社が拠点にしている埼玉県は、約730万人もの人口を擁しているので後者にあたります。我々は“人が多い”というだけでも、非常に恵まれているんです」(原島氏)