続々とディスカウント型の食品スーパーが誕生している。8月、埼玉県飯能市に、スーパー業界の優良企業であるヤオコーがディスカウント型の新店をオープンした。なぜヤオコーがディスカウント型を出店したのか。コロナ禍で激変するディスカウント型食品スーパーの最前線に迫った。(流通ジャーナリスト 森山真二)
給料が上がらないのに「値上げ」が相次ぐ
食品スーパーでディスカウント業態が注目
給料が上がらない。だが、しれっと周りの食品や日用品の価格は上がっている。持ち出す金が増えているのが現状だ。
さまざまな値上げの背景には、コロナ禍での原油価格の上昇、世界的な物流停滞など諸説ある。ただ、実際のところはよく分からない。「景気の浮揚感はあるがそれも長続きはしない」ともいわれる。
流通業界関係者は目ざとい。価格選好が強まるとみて“価格戦略”を強めている。中でも、ディスカウント業態には注目だ。
ついに、ヤオコーもディスカウント型(DS)を出店した。ヤオコーといえば首都圏地盤で、営業利益率4.4%(2021年3月期)のスーパー業界の“優等生”だ。早速現地に赴き、DS業態の最前線に迫った――。