「年収5%アップ」を6年連続で実現できた企業がしている3つのこと写真はイメージです Photo:PIXTA

企業の底力は
値上げ時代に賃上げできるかで分かる

 円安や諸物価高騰などによる値上げに苦しむ人が増えています。昨今の社会情勢を受けて「従業員の賃上げ」は多くの企業で重要事項の一つに上がっており、実際に賃上げを開始した企業も多く出ています。

 実は、このような流れが起こる前から「30年間給与が同じなど考えられない」と、会社の平均年収を5%以上、毎年上げ続けることを経営指標とし、多くの年で実際に行っている会社があります。熊本県に本社を置くシアーズホームグループです。

 同社は1989年に創業し、熊本県を中心に、福岡県・佐賀県・鹿児島県で完全注文住宅から企画型の省コスト・コンパクトハウスまで販売している企業グループです。

 2019~2021年度の「九州地場資本住宅メーカーにおける九州ビルダー着工棟数ランキング」で1位を獲得し、2021年度の売り上げは271億円、従業員数はグループ全体で580人(2022年4月現在)を誇る地元熊本では大きな存在感を放つ一大企業グループです。※調査元:住宅産業研究所「TACT」

 2022年度は住宅業界全体を襲うウッドショックの影響などにより、それまでに比べるとスピードは低下したものの、2015~2021年において毎年連続で二ケタ成長を続け、2021年度までの10年で売り上げが5.3倍、経常利益が7.1倍になったほか、売上高経常利益率は8.3%と建設業の業界平均(3.66%)*を2倍以上、上回っています。*建設業情報管理センター「建設業の経営分析(令和2年度)」

 そんなシアーズホームグループが掲げている経営指標の一つが「会社の平均年収を5%以上毎年上げ続けること」です。二桁成長を果たした年を中心にそれを実現してきました。

 日本全国のさまざまな企業のコンサルティングを多々行ってきた船井総合研究所が、シアーズホームグループが社員の給与を上げ続けられている理由を、3つの観点で分析します。