老後資金の不安解消は「家計簿アプリ」が最適!“使途不明金”の把握で家計激変写真はイメージです Photo:PIXTA

漠然とした不安を抱えがちな「老後資金」問題。実は、今日からできる具体的な不安解消方法がある。「家計簿アプリ」の活用だ。その理由を紹介しよう。(経済コラムニスト 大江英樹)

 老後に向けたお金に関する対策で一番大事なことは、節約をすることでも投資をすることでもない。最大の対策は「生涯にわたる収支の把握」だ。

 収支とは言うまでもなく「入」と「出」を把握することだが、「入」はある程度読めるだろう。とは言え、そもそも会社員であれば自分の力で「入」をコントロールすることはなかなかできない。なぜなら給料を決めるのは自分ではなく、会社や上司だからだ。したがって、一般的には自分でコントロールできる「出」を考える方が大切なのだ。

「出」のコントロールをするには
家計簿が最適

 ところが残念なことに、「出」をコントロールしている人は少ないというのが実状だ。

 日常生活費をきちんと把握しようと思えば、家計簿を付けるのが当然だろうが、一般的には家計簿を付けている世帯は1割程度しかない、といわれている。実際に筆者はセミナーなどで参加者に「みなさんの中で家計簿を付けている人はいますか?」と聞くと、ほとんどの人は手を挙げない。

 たしかに家計簿を付けるというのはかなりハードルの高いことであることは確かだ。筆者も定年になる前から自分で家計簿を付けているが、家計簿を付け始めた13年前の頃は面倒だったし、記入漏れも多く、挫折しそうになったことは何度もあった。したがって、気軽に「家計簿を付けなさい」と言うのは簡単だが、実際に続けるのは難しいのも事実だろう。

 ところが最近は少し状況が変わってきた。