「学生」から「社会人」へと変化していく新入社員

「『フレッシャーズ・コース2023』を活用した自律型新入社員研修」は、2日目を迎えた。前日同様に、垂水講師と31名の受講者がモニター画面に現れた。

 改めて、垂水講師から「学習目標」の説明があった。そのひとつ、「ビジネスパーソンとして好ましくない言動を見て、改善点を指摘する」について、「今日は昨日よりもハードルを上げて、グループのメンバーにもしっかりと助言できるようにしましょう」という呼びかけがあり、新入社員たちは表情を引き締めた。

 研修プログラムに入る前に、まず、各グループメンバーの変更があった。新しいグループに分かれて、自己紹介と1日目の振り返りを共有した後、リーダーとサブリーダーを選出し、グループ独自のルールを新たに作成。2日間とも同じグループになる受講者はほとんどいなかったが、2日目ということもあって、31名の新入社員は緊張がとれた様子で、表情も明るく見える。また、「話を聞く時の反応を大きくする」「1回のグループワークにつき、1人最低2回は発言するようにする」など、各グループで作ったルールにも積極的な姿勢が感じられた。そして、前日の反省からか、ほとんどのグループが「時間」を意識し、メンバー間でフォローし合うなど、チームの結束が垣間見えた。

 2日目の学習テーマは、「マナー」。まずは、社会人としての「基本動作」を学んでいく。研修テキストに書かれているチェックリストを見ながら、自分の身だしなみをチェックし、学習動画を見て、正しいお辞儀を行ってみる。垂水講師は、画面越しに横向きになり、細かなお辞儀方法を実践解説し、受講者の誰もが理解できるように教えていった。続いて、研修テキスト内の漫画を通じての演習に移る。名刺を出す・電話応対する・得意先を訪問する……など、あらゆるビジネスシーンが漫画で描かれていて、その中から不適切なマナーを各グループで見つけていくものだった。

「言葉づかい」の演習では、主に敬語の使い方を学んでいった。通常表現を尊敬語や謙譲語に言い換える練習では、垂水講師が何人かの受講者を指名して回答を促し、たどたどしい口調でありながらも、ほぼ全員が間違わずに答えていった。垂水講師からは「英単語だと思って暗記して口を慣らすことも大切」という適切なアドバイスもあった。多くの新入社員にとって、敬語は言い慣れないものかもしれないが、何度も口を動かすことで自然と身についていくのだろう。垂水講師はテキストには書かれていない慣用表現についても解説し、「敬語と慣用表現を組み合わせれば、マナーは鉄壁になります。ぜひ、マスターしてください」とメッセージした。研修プログラムの進行とともに、新入社員である受講者たちの顔つきが「学生」から「社会人」へと変化していく様子が私には見て取れた。