
日本中の最優秀層が競い合う医学部受験。その過熱ぶりは一時ほどではないにせよ、超難関であることに違いはなく、夢破れる人が少なくない。だが、他学部を卒業し、社会人となった後でも実は医学部への門戸は開かれている。それが、医学部編入だ。特集『40歳・50歳・60歳から人生を一新! 資格&学歴 裏ワザ大全』の#10では、医学部への学士編入が可能な「全大学リスト」と押さえておくべき受験対策をお届けする。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
社会人でも医学部にリベンジ
学士編入はまさに情報戦
国公立大学と私立大学を合計した医学部志願者数は2016年度の約14.2万人をピークに、24年度は同約12.8万人とやや減少傾向にある。とはいえ、その合格率は国公立大学で8.4倍、私立大学では7.8倍と依然高水準が続いており、医学部が狭き門であることに変わりはない。
それ故に、憧れの医師への道を諦める人が少なくないが、リベンジする手だてがなくはない。
一つは、一念発起して再び医学部を一から受験する「再受験」だ。だが、この道はかなり険しい。再受験は現役の優秀な高校生たちに交じって、国公立大学ならば大学入学共通テストを受け、その後に各大学の2次試験を突破しなければならないためだ。
そこで、社会人にとって狙いやすい「抜け穴」ルートを紹介しよう。それが、大学を卒業した学士が受けられる「学士編入」だ(一部の大学では大学2年次までの単位を取得した者も受験可能)。
むろん、抜け穴といってもハードルは決して低くはないが、併願しやすく、生命科学分野と英語の対策をしっかり行うことで試験を突破できる可能性がある。仕事が忙しい社会人にとって、再受験よりもチャレンジしやすいのに加え、ここ数年は志願者数が減っているため狙い目といえるだろう。
ただし、どの大学医学部でも学士編入を受け入れているわけではない。また、大学側の事情で編入を突然取りやめたり、募集人員や試験内容を変更したりすることもある。さらには、一般入試と異なり、編入試験の時期もバラバラであるが故に、学士編入はまさに「情報戦」といえる。
そこで、次ページでは、学士編入を受け入れている全大学リストを掲載するとともに、試験の傾向など倍率だけではない最新の実態を紹介する。また、これまでは英語が得意であれば編入できる医学部があったが、近年ではそういった大学がなくなってきている。とはいえ、TOEFLやTOEICなどの英語外部スコアを求める大学もあるため、それらの実態も詳らかにする。