新NISAの顧客獲得競争、地銀が「ネット証券に勝つ」ための戦略とは?Photo:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

 2024年1月の新NISAスタートも踏まえ、金融機関にとって顧客獲得に向けたマーケティング策の重要性はますます高まっている。そのカギとなるのが、消費行動の分析に基づくアプローチだ。地方銀行など対面チャネルを持つ金融機関の場合、消費者のカスタマージャーニーから「ネット上で提供すべき情報」を分析した上で、対面の相談機能などを生かして接点を持つことも考えられよう。

新NISA開始を見据え先を行くネット証券

 当社では、2022年11月から23年3月までの間に「新NISA」または「新ニーサ」とネット上で検索を行った人の動向を分析した。一緒に検索されるキーワードの組み合わせを可視化すると図表1のとおりである。

 キーワードとしては、「いつから」「併用」「ロールオーバー」等が目立ち、制度について調べる人が多いことが分かる。その半面、金融機関名の検索は少なく、新NISAについて「どこの金融機関で取引をするか」を調べるケースは限定的だと考えられる。

 次に、新NISA関連の検索者の閲覧ページを閲覧者数の多い順に集計してみると、新NISAを解説したウェブサイトに関心が高いことが分かる(図表2)。注目すべきは、この中にネット証券のページが含まれていることだ。