2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
自分と他人を「許す」ことができると、痛みがなくなるらしい
「自分は病気だからつらい」と思っている人は、「つらい」と言っていること自体が、病気を生んでいる可能性があります。
神経痛も、腰痛も、痛風も、リュウマチも、神経が痛むときは、2つの条件が重なっていると考えることができます。
「神経がピーンと張っていること」と、「神経をビーンと響かせる外的な状況」があることです。
外的な状況とは、たとえば、風が吹いたり、気温が変化したり、自分が聞きたくないひと言を聞いたとき、などです。
「バカ」と言われたときに、「そうじゃない」と思うことによって、張り詰めた神経を響かせてしまうことがあるかもしれません。
風も天気も、他人からどんな言葉を投げかけられるかも、自分ではどうにもできません。しかし、張っている神経を緩ませることはできます。
神経を緩ませることができれば、外側からビンビン弾かれても、響きません。だから、痛くない。
「怒ると、痛いらしい」「笑うと、痛くないらしい」という因果関係がわかれば、損得勘定として、怒らなくなるし、笑うようになるでしょう。
70代の男性から、「医者にかかっても、神経痛がよくならない」という相談をいただいたことがあります。
私が「神経を緩ませてください」と言うと、はじめは「はぁ?」と不思議がられたのですが、その後、数十秒後に、その方は、こう言いました。「痛くなくなりました」。
どうして、神経を緩ませると、痛みがなくなるのでしょうか。
じつは、「許す」の語源は「緩ます」であり、神経を緩ませていない人は、人を「許せない」人であり、だから、痛いらしい。
「あなたがやっていることは、他人に迷惑をかけていますよ」と、チクチクと空から痛みがやってくるのです。
緩ますことは、すなわち、「許す」ことです。自分に対して厳しい人は、体が「あなたの厳しさには耐えられません」と悲鳴をあげて痛みが起こっているようです。
また、自分に厳しい人は、他人にも同じレベルで厳しい。「自分にはとても厳しくて、他人には甘い」という人は少ないと思います。
人に寛容になるための方法は、自分を許すことです。したがって、「いいかげんな人」「自分で自分に甘い人」「適当な人」になればいい。
「いいかげん」というのは、「よい加減」のこと。「いいかげんで適当な人になる」ということは、「よい加減で自分の能力に見合った自分の生き方をする」という意味です。
自分で自分を許すことができたら、他人を許すことができる。
他人を許すことができたら、緩ますことができる。緩ますことができたら、神経の痛みがなくなるらしい。
日本人は、体験的に「許す」と「緩ます」が同じ語源であることを知っていたのでしょう。
神経がピーンと張っているときは、心も体も痛くなりやすいことを昔から知っている民族だったのです。