野球世界一決定戦・WBCの開幕が近づいてきた。

 日本代表・侍ジャパン(A組)の1次ラウンドは3月2日から6日まで。ブラジル、中国、キューバと戦い、この上位2位までが2次ラウンドに進む。2次ラウンド(8~12日)ではB組(韓国、台湾、オーストラリア、オランダ)の上位2位までのチームとトーナメントを行い、この上位2位までが決勝トーナメント(17~19日)準決勝に進出する。

 1次ラウンドは3試合。順調に勝ち進んだ場合、2次ラウンド3試合、決勝トーナメント2試合の計8試合を勝ち抜くことができれば、日本は3連覇を達成できる。

 今回は日本が参加するかどうかで揉めた一件などもあり盛り上がりは今ひとつだったが、代表メンバーが決まり壮行試合が始まると、俄然注目度も高まってきた。

ファンの期待を高めた
壮行試合、対オーストラリア戦

 壮行試合の相手にオーストラリアを選んだのも絶妙だった。オーストラリアは過去2回のWBCにいずれも出場している。第1回は13位、第2回は12位と強豪とは言えないものの甘く見ることもできない相手だ。メンバーの半数近くがMLBのマイナーリーグ所属だし、南半球の国内リーグは12月から1月が野球シーズン。今はその直後であり、心身ともに臨戦状態にあるわけだ。

 一方、日本代表の選手たちはオフ明けで実戦勘が戻っていない。案の定、第1戦は打線が湿りっ放しで大苦戦。相川の逆転3ラン一発に救われてなんとか勝った。しかし、第2戦は打線が息を吹き返し10-3の完勝。この快勝でファンのWBCへの期待も高まったはずだ。

 ところで各国の代表メンバーを見て興味深かったのは日本のプロ野球で現在、あるいは過去にプレーした選手が事のほか多いことだ。オランダ代表にはこの2シーズン、セ・リーグの本塁打王に輝いた東京ヤクルトのバレンティンと今季鳴り物入りで東北楽天に入ったメジャーの大砲ジョーンズがいる。ふたりはオランダ領アンティル諸島の出身だからだ。