「しゃーない」

「しゃーない」というのはどうやらさんまくんの口癖で、僕は何度となく彼が「しゃーない」と口にするのを耳にしています。そしてこの「しゃーない」という言葉、さすがやな、すごくいいなと思っています。

 相談しなくても、解決しなくても、仕方ないと受け入れ、「しゃーない」という言葉でだましだましやっていったら、そのうちいい風も吹いてくる。そんな生きる知恵みたいに思えてくるんです。

「孤独にならないように、友だちを持て」とか、「一人で追い詰められないように、家族を大事にしろ」とか、「困り事は自分で抱え込まず、相談しよう」とか。

 それは正しいし、まさに真実。その通りだと思うし、そうできたら最高でしょう。だけど、猫に死なれた僕の同級生のように、そうできない人だっています。

 たとえ家族ができても僕のように、永遠に続く保証はないんです。

 正しくて理想の解決法があっても、その通りにはならない。だから、「しゃーない」と流していったほうが、しのげることもあるんじゃないでしょうか。

 相談はしなくても、ちょろっと言葉にできる相手がいるのは、かなり違います。答えをくれなくても、正解がわからなくても、「しゃーない」と言ってくれる相手がいるのは、ぐっと違います。