周りにスタッフはたくさんいたけれど、僕が声をかけると、さんまくんは「おう」と軽く手を上げました。
「聞いたわ」
「せやねん。しゃーないわ」
目が合って、交わした言葉はこれだけ。ごく短いやりとりでした。
そう言えばさんまくんは相談をしない男で、滅法明るくて、滅法つよい。どれほど困るようなことがあっても、絶対に暗い顔は見せないんです。
あの一瞬のやりとりを彼が憶えているのか、どう受け止めたのかはわかりませんが、僕はこの時「大丈夫か? がんばってな!」という自分の気持ちは、伝わったと思っています。