家庭が向いていない人もいる

 さんまくんはどうか知りませんが、僕は明らかに結婚には向いていません。結婚というより、“家庭”に向いていないんでしょう。

 子どもはかわいいし、孫もかわいい。「どうしているかな、元気かな」といつも気になります。それなのに現実は、一人の部屋で暮らしており、家に帰るのは月に1回あるかないか。

 家族の誕生日に花やプレゼントを贈るなんてこともマメにやっていますが、「じゃあ、揃って誕生日パーティをしようか」となると「それはみんなでやっといて。俺はええわ」となってしまいます。

 一家団欒に憧れて、家族をテーマにした韓国ドラマにハマっているのに、自分はその世界に入っていけない。

 これは僕の世代では珍しいかもしれませんが、もっと若い世代になると、似たような人が意外と多い気がします。そういう、家庭を持つのに向いていない人に、「絶対持ったほうがいい」と言うのも、無茶な話です。

 また、家族がいても、心をさらし合えない関係性だってあります。だからこそ、何もかも相談できる相手を無理につくろうとせず、さらっと「しゃーない」と言ってくれる、そんなつながりの人を持つのがいい気がしているんです。

 そういう人がいれば、絶望せずにすむこともあります。