前回、心の毒はたまり過ぎてしまうと、うつ病やパニック障害、自律神経失調症など、心の病気を引き起こすことに繋がることを紹介しました。心の毒出しに有効なのは、良質な睡眠です。長い通勤時間や残業、家事、育児などに追われていると睡眠不足になりがちですが、睡眠は決して無駄な時間ではなく、大事な役割があります。良質な睡眠をとるにはどうしたらよいのでしょうか。前回に続き、工藤内科院長で内科医・漢方医の工藤孝文さんの『専門家がしっかり教える 健康図解 毒出し』(日本文芸社)より抜粋して紹介します。
心の不調は“良質な睡眠”で改善できる
重要なのは寝始めの3~4時間
心の毒ともいえるストレスの感じ方は人それぞれで、自分では気づかないこともあります。寝つきが悪い、熟睡した気がしない、朝目覚めたときから疲れている、といった不調は、心にたまった毒が原因かもしれません。
心の毒出しに有効なのは、良質な睡眠です。個人差はありますが、理想の睡眠時間は7時間前後といわれており、まとまった睡眠時間を確保することでホルモンのバランスが整いやすくなります。ただ、人は年齢とともに睡眠時間が短くなり、7時間も眠れなくなってくるため、時間を気にし過ぎる必要はありません。重要なのは心と体が最も休まる寝始めの3~4時間。この時間帯の質を高めましょう。おすすめは就寝の2時間前の入浴。一度体温を上げた後、下がっていく過程で深い睡眠に入ることができます。また、睡眠時間は長過ぎても短過ぎても時間がバラバラでも質を下げるので、規則的にとるようにしましょう。