心の不調は“良質な睡眠”で改善できる。牛乳は夜飲むより朝に飲んだほうが、安眠効果が高い理由とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA
前回、心の毒はたまり過ぎてしまうと、うつ病やパニック障害、自律神経失調症など、心の病気を引き起こすことに繋がることを紹介しました。心の毒出しに有効なのは、良質な睡眠です。長い通勤時間や残業、家事、育児などに追われていると睡眠不足になりがちですが、睡眠は決して無駄な時間ではなく、大事な役割があります。良質な睡眠をとるにはどうしたらよいのでしょうか。前回に続き、工藤内科院長で内科医・漢方医の工藤孝文さんの『専門家がしっかり教える 健康図解 毒出し』(日本文芸社)より抜粋して紹介します。
心の不調は“良質な睡眠”で改善できる
重要なのは寝始めの3~4時間
心の毒ともいえるストレスの感じ方は人それぞれで、自分では気づかないこともあります。寝つきが悪い、熟睡した気がしない、朝目覚めたときから疲れている、といった不調は、心にたまった毒が原因かもしれません。
心の毒出しに有効なのは、良質な睡眠です。個人差はありますが、理想の睡眠時間は7時間前後といわれており、まとまった睡眠時間を確保することでホルモンのバランスが整いやすくなります。ただ、人は年齢とともに睡眠時間が短くなり、7時間も眠れなくなってくるため、時間を気にし過ぎる必要はありません。重要なのは心と体が最も休まる寝始めの3~4時間。この時間帯の質を高めましょう。おすすめは就寝の2時間前の入浴。一度体温を上げた後、下がっていく過程で深い睡眠に入ることができます。また、睡眠時間は長過ぎても短過ぎても時間がバラバラでも質を下げるので、規則的にとるようにしましょう。
睡眠は決して無駄な時間ではなく、脳の休息や記憶の定着、病気に対する抵抗力、作業効率を高める集中力など、重要な役割を担っています。よりよい睡眠のために今日からできることを考えてみましょう。
睡眠のリズムと質を高める「体内時計」
朝寝坊はせずに日光を浴びる
休日に朝寝坊をして、睡眠不足を補おうとしていませんか。実はこの行動は体内時計を狂わせ、睡眠の質を低下させてしまいます。
睡眠・覚醒のほか、体内の様々な生理機能は約24時間周期の概日リズム(サーカディアンリズム)によって整えられており、これを「体内時計」と呼びます。24時間よりも少し長いため、日頃からリセットが必要なのですが、朝寝坊をしてしまうと、さらに睡眠や覚醒のリズムが乱れやすくなります。
体内時計のリセットに有効なのは、朝起きたら日光を浴びること。日光を浴びると、15~16時間後に眠気を誘う作用がある「メラトニン」というホルモンが分泌されます。これにより、夜はスムーズな入眠が可能に。朝寝坊をするよりも朝はしっかりと起きるほうが、体内時計もリセットでき、良質な睡眠をとることができるのです。
また、スヌーズ機能の使用もNG。アラームが鳴ったとたん交感神経が優位になって体は活動態勢に入るのに、スヌーズに頼って再び寝てしまうと、今度は副交感神経が優位に。この繰り返しが自律神経を混乱させて、心や体にストレスを与えてしまいます。
「デジタルデトックス」をしよう
液晶画面は22時までに消す
夕食や入浴を済ませて後は寝るだけ……。このひとときは、全てから解放される自分だけの時間。スマートフォンをベッドに持ち込んで好きなゲームに熱中したり、お気に入りのSNSを眺めたりして過ごす人もいるでしょう。でも、寝る前に液晶画面を眺めていると、メラトニンの分泌を抑制するブルーライトを浴びるため、スムーズな入眠を妨げます。夜間モードにすればブルーライトを抑えられると思うかもしれませんが、それでもNG。多量の情報は脳を過剰に覚醒させるため、自律神経のバランスが乱れて睡眠の質を悪くしてしまうのです。
メラトニンが最も分泌されるのは22時から夜中の2~3時。なので、スマートフォンやパソコンなどは、遅くとも22時までに消しましょう。また、休日にデジタル機器に触らない「デジタルデトックス」をするのもおすすめです。スマートフォンやパソコンなどは確かに便利ですが、長時間使用していると脳が慢性疲労を起こして、記憶力や判断力、集中力が低下します。最初は落ち着かず不安かもしれませんが、デジタルデトックスは心の毒出しに効果の高い処方箋です。







