いま私たちの生活は、PC・スマートフォンの普及により夜型化が進み、良質な睡眠がとりづらい状況に陥っている。睡眠が不規則になると、「なかなか寝つけない」「1日中眠気を感じる」といった睡眠障害の症状が出やすくなり、心身の健康も崩れがちになってしまう。
そこで、睡眠の質の改善に役立つのが、25年以上睡眠専門医として活躍している坪田聡氏の著書『朝5時起きが習慣になる「5時間快眠法」』だ。本書は、短時間の睡眠でも朝スッキリと起きられ、日中もハツラツと活動できる「5時間快眠法」のメソッドを3つのステップで解説している。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、寝る前にストレスや悩みを解消してぐっすりと眠れる「心が軽くなるメソッド」をご紹介する。(構成/根本隼)
寝る直前までストレスを抱え込みやすい時代
仕事が終わった後も、移動中や家で会社のメールがチェックできてしまい、SNSで四六時中誰かとつながっている現代は、寝る直前までストレスを抱えやすい環境だといえる。
そのため、抱えたモヤモヤやイライラを消化できないままふとんに入り、いつまでも寝つけない人も多いだろう。
スパッと入眠するためには、ふとんに入る前に心のモヤモヤをすべて吐き出してしまうのがベストだ。しかし、ただ「忘れよう」「考えないようにしよう」と思っても、なかなかうまくはいかない。
ノートに思いのたけを書きなぐるだけでいい
そこで効果を発揮するのが「モヤモヤノート」だ。
何も特別なものを用意する必要はない。準備するのはA4ノート1冊とペン。このノートに、心から離れないモヤモヤや、今日あった嫌なことをすべて書き出すのだ。
・取引先から理不尽なクレームを受けて、反論できずに罵倒された。悔しい
・気になっている〇〇さんに恋人がいるかもしれない。指輪をしていたし、気になる
・親の介護のことを考えるとつらい。このまま仕事を続けるられるだろうか
など、どんなネガティブなことでも、些細なことでもかまわない。あなた以外誰も見ないノートなのだから、思いのたけを好きなだけ書きなぐってしまえばいい。
二重のアウトプットで「あとは寝るだけ」と自分に言い聞かせる
書き終えたらノートを閉じて、引き出しにしまう。そのときには、「はい、今日はこれでおしまい」と、締めくくりの言葉をはっきりと声に出す。これによって、気持ちがすんなりと切り替わる。
人間は、頭の中にあるものを、いったん外に出さないと認識しづらく、理解できない。だから、頭の中のモヤモヤやイライラをノートに書き、アウトプットする。そしてそのノートを引き出しにしまう動作も、「はい、今日はこれでおしまい」と声に出し、アウトプットする。
この二重のアウトプットにより、「あとは寝るだけだ」と自分に強く言い聞かせる効果が生まれるのだ。すべてが終わったら、すぐふとんに入る。今日はこれでおしまい。明日のことはまた明日、考えればよい。
スマホやPCではなく「紙に書き出す」ことが重要
「モヤモヤノート」をつくるうえで重要なのは、必ず「紙に書き出す」ことだ。スマートフォンのメモ機能や、パソコンの使用はNGだ。
スマートフォンやパソコンの画面から放たれるブルーライトは、脳を覚醒させる効果がある。必ず、ノートに書き出そう。
(本稿は、『朝5時起きが習慣になる「5時間快眠法」』より一部を抜粋・編集したものです)