開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。VAMOS代表の富永雄輔氏は、最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』で、子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」を提唱し、圧倒的な支持を集めている。本稿では、富永氏が登壇したオンラインセミナー「子どもの特性にあわせた塾の選び方」(2023年7月30日開催)で、参加者から出た質問への回答を紹介する。

子どもの勉強のやる気を引き出すために親ができる1つのことPhoto: Adobe Stock

YouTubeやゲームばかりに夢中。勉強のやる気を出してほしい!

質問者:小学5年生の子どもを持つ保護者

――YouTubeやゲームにばかり夢中です。そろそろ勉強に対するやる気を出してほしいのですが、どうしたらやる気を出してくれるのでしょうか?

富永雄輔:勉強自体に面白さを見出して、自らすすんで勉強をする子どもは、全体の1割にも満たないと思います。

 ですので、子どもが自然と勉強へのやる気を出すことはないと思って、やる気をつくるところから親が支えてあげることも必要です。

 中学受験を考えているのであれば、塾に通うモチベーションや勉強に対するモチベーションを意図的に引き出してあげなければなりません。

 中学入学後の楽しい学校生活をイメージさせてあげる、欲しいものを買ってあげるなど、何でもいいので、お子さんのモチベーションにつながることをしてあげてください。

 その際に、1つ気をつけてほしいことがあります。

 保護者の皆さんは、基本的に「お子さんを褒める」というスタンスでいてほしいということです。

 この暑い中、塾に通っていることだけでも、大変なことです。

 それなのに、一番身近にいる親に褒めてもらえなければ、子どもはしんどくなってしまいます。

 例えば、私が経営しているVAMOSの5年生や6年生の保護者会では、伝えていることが1つあります。

「叱る役」は私がやるので、保護者の皆さんは褒めながらお子さんを支えてあげてください、ということです。

 現場の教員たちも「褒める役」にまわってもらっています。

 共通の敵を作って、「富永なんかに叱られたくないから頑張ろう」という空気で、子どもの気持ちを盛り上げてもらっています。

 こんなふうに、塾や周囲の環境など、使えるものは上手く活用して、子どもの気持ちをのせるのも一つのやり方だと思います。