中国のZ世代は、
日本人の思う“中国人像”とは大分異なる
彼女の話を聞いていて、私は以前、取材した在日中国人から聞いた話を思い出した。その人によると、「昨今の恵まれたZ世代の若者の中には、幼い頃から欧米に留学して、現地でファッションセンスを磨いたり、欧米スタイルのビジネスを学んだりする人が多いのです。英語もペラペラで、世界中に人脈、中国人富裕層のネットワーク、コミュニティがある。中には、中国に戻って自分のブランドを立ち上げたり、プロデュースしたりする人もいますが、世界に羽ばたいて、国際的に活躍する人材もいます。数年後、ますますそういう人が増えてくる時代になるのではないでしょうか」という話だった。
日本では、中国人富裕層といっても、ジャック・マー(馬雲)氏などを除いて、具体的にイメージしにくいし、多くの日本人は彼らと接触する機会がない。だが、彼らの中には、ニュートラルに見て日本文化を非常に高く評価したり、頻繁に来日したりして、日本から多くのものを吸収している人が少なくない。
最後、チェン氏に「日本は昔から中国文化の影響をたくさん受けてきたが、中国で生活していて、日本文化の影響を感じることはあるか?」と聞いてみたところ「もちろんです。中国だけでなく、日本文化は世界中に影響を与えていると思います」という答えが返ってきた。彼女らのような若者は、もちろん中国のごく一握りにすぎないが、その存在感は大きい。彼女たちが中国の未来にどのような影響を与えていくのか、考えさせられると同時に、時代の変化を痛感させられた。