「億単位の不動産が数分で制約? そんなことが……」大半の人はそう思うでしょう。ところが、アリババグループが運営するライブコマースチャンネル「タオバオライブ」では、決して安くはない物件が瞬く間に売れていくのです。一体、なぜなのでしょうか?
億単位の買い物をするなら「ライブ配信」で
「このマンションのお値段ですが……なんと1億円! いかがでしょうか?」
不動産仲介業者の「ライバー」が威勢のいい声で、中古マンション物件の価格を発表します。番組が始まって10分ほど経ちますが、すでに1万人を超えるユーザーがライブを視聴しています。
「この条件でこの価格はなかなかありませんよ」
ライバーの隣にいる不動産鑑定士のコメンテーターが解説します。と同時に、画面上には視聴者のコメントが次々に流れます。
「後ろの道路があまり映っていなかったけど……」
「ドアが閉まっている奥の部屋は、じつは汚いのでは?」
「1億円は高い。せめて9000万円くらいでは?」
すると、こちらも不動産鑑定士の資格を持っているという別のユーザーがコメントします。
「いや、競売物件ですから、この条件なら通常の相場より2割は安いと思いますよ」
そのコメントが決め手となったのでしょうか。ひとりの視聴者が手を挙げ、物件は無事成約しました。この日予定していた5件の物件はすべて完売。1時間のライブ番組は20分もしないうちに終了しました──。
近年中国でさかんな不動産物件のライブコマースの様子を再現してみました。不動産への投資意欲の高い中国では、このような不動産のライブコマースが人気を集めています。数千万円から億単位の不動産とライブコマース。一見、結びつきにくい組み合わせのように思えませんか?
ところが、じつは不動産とライブコマースは相性がいいのです。