米連邦取引委員会(FTC)による「チャットGPT」の調査は、米政府が人工知能(AI)をどのように規制すべきかを巡り、新たな対立が生まれていることを示している。米大手企業の一部は、労働組合や進歩派の権利擁護団体と戦うことになるかもしれない。企業は、メディア(情報の媒介手段)を瞬時に生み出し、人間の会話をまねることができるチャットGPTのようなシステムを使いたがっている。書類作成や電話応対に必要な従業員の数を減らすのが目的だ。また、AIで動くボットは個々にカスタマイズされた広告を作り出したり、さらには顧客と直接対話して売り込んだりすることで、新たな市場を開拓する可能性がある。労組やプライバシー擁護団体、消費者団体は、AIがもたらし得る恩恵も理解している。しかし、彼らはAIの利用が雇用の削減や労働条件の悪化につながるのではないかと心配している。悪人たちが訓練されたAIシステムにある人物の個人情報を入力して、操ったり詐欺を働いたりするのに利用する恐れがあると、警鐘を鳴らす人もいる。
米職場でのAI利用どうなる 企業と労組にらみ合い
米当局のチャットGPT調査、規制の試金石となるか
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