4万人以上のダイエットを成功させ、自身もウエスト58cmを30年間キープする健康運動指導士・植森美緒の新刊「生きてるだけで、自然とやせる! やせる日常動作大図鑑」。食事制限&運動なしで、部分やせできてリバウンドしないという夢のような方法は、日常動作をちょっと変えるだけという簡単なことだった! 本連載では、「生きてるだけで、自然とやせる!」さまざまな日常動作ややせるコツを紹介していきます。

「何をやっても絶対にやせない」と断言する人がやせない意外な理由Photo: Adobe Stock

ダイエットで潜在意識を敵にまわすとやせられない?

摂取エネルギーを消費するエネルギーよりも小さくすればやせる。
一般的にそう考えられていますが、じつはダイエットはそんなに単純ではありません。
私は運動指導の仕事について34年になりますが、どうにも説明のつかないケースはそれほど珍しくはないのです。

たとえば、「私、何をやっても絶対にやせないんです!」と断言する人がいます。
ご本人がそうおっしゃるからにはそれなりの理由があるわけですが、そう断言し、確信していればいるほどやせなくても無理はないと思います。
やせたいと言ってはいるけれど、一方では絶対にやせないと固く信じ込んでいる。これは潜在意識に「私は絶対にやせない!」と刻み込み、やせるメカニズムをブロックしているようなものだからです。

ダイエットの話ではありませんが、ある新進気鋭の若手女優さんは、けん玉やビリヤードなど、その道のプロでさえ難しい技を短時間の練習でやってのけます。不可能としか思えない状況の中で「私はできる! できる! 絶対にできる!」と言い聞かせ、常識では考えられない能力を発揮。まさに目を疑うような奇跡を起こしてしまうのです。
体のことは科学では解明されていないことがまだ、とても多いですが、思い込む暗示が体に与える影響は計り知れません。

「今年こそ絶対にやせる!」という漠然とした目標も、潜在意識的にはやせられない現実を強く刷り込みかねない思考です。
それより「お尻を内側に締める動作をくり返すとお尻が小さくなる!」と具体的にイメージし、思うだけでなく、実際にアクションを起こしましょう。不思議なことに、笑うことや作り笑顔だけでも、体が反応して免疫力が上がることが確認されているように、意識は体の状態に思いのほか大きく影響するのです。
やせないと決めつけたり、絶対にやせなければと思いつめたりするより、自分の行動と結果を明るく信じるほうがうまくいくと思いませんか?
心と体を追い詰めるような、潜在意識を敵にまわす言動に気をつけたいです。

*本記事は『生きてるだけで、自然とやせる! やせる日常動作大図鑑』から、抜粋・編集して構成したものです。
*著者/植森美緒(健康運動指導士) 監修/金岡恒治(早稲田大学スポーツ科学学術院教授・スポーツドクター)