中国当局とつながりのあるハッカーが、米国のニコラス・バーンズ駐中国大使の電子メールアカウントに侵入したことが分かった。事情に詳しい関係者によると、一連のサイバー攻撃で少なくとも数十万通の米政府関連のメールが不正にアクセスされたとみられる。米国務省で東アジアを担当するダニエル・クリテンブリンク次官補も攻撃対象となったと関係者は語る。諜報(ちょうほう)活動とみられる大規模なサイバー攻撃で国務省が狙われたことは先週、明らかになった。バーンズ氏とクリテンブリンク氏は、これまで被害を受けた中では最上位の国務省当局者とみられるという。一連のサイバー攻撃の全容はまだ明らかではない。不正アクセスされたバーンズ氏とクリテンブリンク氏の受信トレーには機密性のないメッセージしかなかったみられる。ただ、バイデン政権高官の最近の訪中に関する米国の計画や、米外交政策に関する当局者の内輪のやりとりをハッカーがうかがい知ることができた可能性がある。
中国系ハッカー、米国大使も標的に
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