このところ新規株式公開(IPO)市場では、損失をこうむることへの恐怖より、乗り遅れることへの恐怖(FOMO)が目立ってきた。美容ブランド「イルマキアージュ」の親会社オディティ・テックが先週、株式市場で華々しいデビューを飾ったことは、1年半にわたり低調だったIPO市場の復活の兆しかもしれない。足元では、IPO復活の足かせとなっていた主な障害がなくなった。米国株は52週高値をうかがう勢いで、ボラティリティーは低下し、インフレは緩和した。そしておそらく最も重要なのは、投資家が再びリスクを選好しているということだ。ここでIPO市場に活気が戻るかどうかは、非公開企業のトップが株式公開を望むかどうかにかかっている。