中国の習近平国家主席は自身が進める最新の反腐敗キャンペーンの一環として、法執行当局に対して不正情報を集めるよう指示している。今回は穀物や種子に関わる問題を標的にする。中国共産党の規律に関する最高機関である中央規律検査委員会は、これまで軍や治安組織、金融部門での汚職を罰してきた。現在は穀物や種子の取引から違法な利益を得ている疑いのある当局者や業者、農業従事者を追っている。同委員会は中国で最も多忙で最も強力な機関の一つで、習氏が最優先事項と見なす分野における取り締まりを担っている。中国政府の情報開示や国営メディアの報道によると、中国の「種子安全保障」をより強力に保護するという任務を負っている当局は、種子に関連した不正事件を数十件捜査し、そのうち数件では汚職の罪で穀物部門の当局者を刑務所に送った。一方、地方政府は「種子部門の腐敗」について独自の取り締まりを指示するとともに、幹部を田園地帯に送り込んで農業従事者の教育や違反者の一掃に当たらせている。