「ダメなところまでよく見えるなら、どう考えても愛だ」

男にも聞いた。
彼女のどこを好きになったのか。
外見に惹かれて? 深い考えを持っているから?
心が美しいから?

すると男は言った。

すべてを好きになったんです。
靴ひもを結べないところ、
ダメなところも
全部ひっくるめて好きになりました。
それで思ったんです。

いいところだけじゃなくて、
ダメなところまでよく見えるなら
これはどう考えても愛だ。
僕は本当にこの人を愛してるんだな、って。

自分のために勇気を出したんです。
僕の人生の愛のために。
幸運なことに真心が通じて、
僕たちはこうして一緒になりました。

このエピソードは結婚式で私が司会をした夫婦の話だ。

愛とは何なのか、考えてみた。
愛はお互いに確信を与え合うこと。
雨が降っても、雪が降っても、
風が吹いても、暑さが訪れても
お互いに変わらない心。
それを私たちは愛と呼ぶ。

(本原稿は、クルベウ著 藤田麗子訳『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』から一部抜粋・改変したものです)