iDeCo商品入れ替え後編写真はイメージです Photo:Adobe Stock

商品入れ替えによって、iDeCo(個人型確定拠出年金)のラインナップは「低コスト」の追求から、多様なニーズに応えるものへと変貌している。新たに加わったFANG+や半導体、金(ゴールド)といった「尖った商品」は、老後の資産形成にどう組み込むべきなのか 。前回に引き続き、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さんに、今後のiDeCoポートフォリオをどう構築すべきかを聞いた。(木村香代、ダイヤモンド・ザイ編集部)

債券が消え、「テーマ・セクター型」が追加へ
グループ運用会社の商品偏重の流れも

 前回はiDeCoの除外商品と追加される商品の紹介をしたが、今回はそれを踏まえたうえでの今後のiDeCo戦略について考えてみたい。

 今回の商品入れ替えの特徴は「エッジの利いた」投資信託が多いということだ。iDeCoは2017年に対象者が拡大され、新たな運営管理機関が参入し、信託報酬の低さを競う主要資産のインデックスファンドの導入が進んだ。現在は欧州・新興国などの地域別ファンド、半導体、金(ゴールド)といった特定のテーマやセクターを狙った商品が続々と採用されている。 

*対象者は企業年金のない会社員と自営業などの国民年金第1号被保険者限定だったが、企業年金のある会社員や公務員、国民年金第3号被保険者なども加入が可能になった。

 このラインナップに竹川さんは商品構成の「偏り」に懸念を示す。

 例えば、楽天証券は、国内債券のインデックスファンドが姿を消し、それを代替するような商品は入っていない。代わりに米国ハイテク・成長企業10社のみに集中投資する株価指数FANG+に連動する投資信託や、エマージングマーケット(新興国)に投資する、いわゆるハイリスク・ハイリターンとされる投資信託、そして金(ゴールド)が追加された。SBI証券はまだ決定ではないが、半導体やインド株関連のファンドも入る予定だ。

 また、全世界株式や先進国株式などのコア資産において、自社系列の商品を優先する「囲い込み」の傾向も強まっており、加入者はプラットフォームごとの特色をより深く理解する必要があるだろう。

除外と追加の基準が不一致!
新採用投信に見える「不透明性」への課題

 商品の入れ替えにあたり、運営管理機関はファンドスコアの「低さ」を除外理由として詳細に説明している。しかし、新たに追加される商品の中には、運用実績が短く、スコアが表示できないファンドが混在している。除外と追加の基準の不統一さが散見される状況だ。

「除外はスコアを重視しているのに、その一方で、追加商品の基準がスコアではなく顧客の希望や社内の検討といったあいまいな理由であれば、加入者は何をもって商品を信頼すべきか迷ってしまう」と竹川さんは指摘する。特に信託報酬などのコストも高いアクティブファンドを追加する場合には、選定理由に関する明確な説明が必要ではないだろうか。提供側の論理ではなく、加入者の長期的な資産形成に資する透明性の高い情報開示が、今後はより一層求められるだろう。