惚れ惚れとする絶品ストレート6。
MTの操作性も気持ちいい!

 筆者に与えられた試乗車はM2専用色の明るいソリッドブルーで、マニュアルトランスミッションを装備していた。

 走りは、どこかしらM4のような雰囲気があった。街乗りではソリッド&フラットで硬派な乗り心地がいかにもM4ぽい。場合によってはさらに激しく感じることさえある。けれどもコンフォートモードでは逆にM4よりも落ち着く。速度を上げていくにつれ、乗り心地はカドがとれ、クルマ好きの好む均質な弾性感とでもいうべきライドフィールへと収束する。高速クルーズもなかなかよかった。

 驚いたことに、これだけ大きなタイヤ(とくにフロント)を履いているというのに、低速域からまるで違和感がない。リアタイヤかと見紛うほどに太いタイヤと乗り手の両腕とがつながっているとは到底思えない。もちろんドライブモードの設定次第で様々なキャラクターへと変更できるが、コンフォートでもスポーツプラスでも前輪の大きさを特に感じることはなかった。

 そして、エンジンの気持ち良さはやはり格別。M2の3L直6ツインターボ(S58型)は、アルピナを含めすでにいろんなモデルに積まれて実績がある。十分に慣れ親しんだはずだというのに、絶品の力強さと官能フィールでドライバーを鼓舞し続ける。何度乗っても、いいなぁと思う。右足を踏むほどに足元から腰がエンジンと一体となる感覚が高まっていく。これこそよくできた内燃機関の見本で、直6を操る喜びを十分に堪能できた。