そんな心臓をより魅力的に感じさせたポイントが、改良された6速MTの操作フィールだった。シャシー制御とともに先代M2に比べて大幅に良くなったと思える点である。

 先代のMTは操作フィールに節度感が足りず、エンジンの官能性と手足を駆使する楽しみだけで評価すべきトランスミッションだった。決してシフトフィールそのものが気持ちいいとは思えなかったのだ。新型ではそれがかなり改善された。ビシビシと吸い込まれるような操作感と、優秀なレブシンクロ機能の相乗効果で、積極的に操れば操るほど楽しい。

 0→100km/h加速タイムはATの4.1秒に対してMTは4.3秒。このクラスでも“速さ”に関しては、2ペダルに軍配が上がる。となればMTの役目は速く走らせることではない。ドライバーを気分よくさせることが、重要な役割になる。

 マニュアルギアボックスのシフトフィール改善は、新型M2の大きな魅力だ!

(CAR and DRIVER編集部 報告/西川 淳 写真/BMW)

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