マイアミ-オーランドを結ぶ高速鉄道

 マイアミでは、公共交通機関にも大きな変革がありました。ダウンタウン中心部に直接乗り入れている高速鉄道「ブライトライン」の開業です。ドイツのシーメンス社の技術を導入した鉄道で、すでにマイアミからウエスト・パームビーチまで開通していました。それが今秋オーランドまで延伸され、ついにフロリダの2大都市を3時間30分で結ぶことになったのです。

米マイアミの変貌が半端ない!「フロリダ版新幹線」開業、高級感溢れる待合室に車内販売もマイアミセントラル駅に乗り入れる高速鉄道「ブライトライン」。車内はWi-Fiも利用できる

 フロリダ版新幹線といもいえるブライトラインは、快適な乗り心地はいうまでもなく、どの車両にも広い荷物置き場や自転車ラックが設置され、車椅子の人でもゆうに使える広さのトイレもあり、手洗いの温水や、石鹸、温風も自動で出るなど、誰にでも使いやすくなっています。加えて、これまでアメリカの列車にはなかった車内販売も登場しました。

米マイアミの変貌が半端ない!「フロリダ版新幹線」開業、高級感溢れる待合室に車内販売もサステナブルが浸透しつつあるアメリカでは自転車を電車に持ち込む人も多い。ブライトラインにも専用のラックがある

 日本の新幹線との大きな違いのひとつが、駅の待合室です。空港のビジネスクラス・ラウンジのように、ゆったりとしたソファがいくつも置かれ、横にはバーカウンターもあります。無料のWi-Fiも利用でき、コンセントの数も豊富。ブライトライングッズも販売する売店は、無人でキャッシュレス。デザインもスタイリッシュで、いるだけで高級感を味わうことができます。

米マイアミの変貌が半端ない!「フロリダ版新幹線」開業、高級感溢れる待合室に車内販売もWest Palm Beach駅の待合室。おしゃれなホテルのロビーを思わせる
米マイアミの変貌が半端ない!「フロリダ版新幹線」開業、高級感溢れる待合室に車内販売もアメリカで車内販売のワゴンが回るのは実に画期的。飲み物や軽食が販売される

 これまでアメリカの旅客鉄道といえば「アムトラック」という半官半民の会社の運営で、貨物の線路を借り受けて走ることから、遅れることで有名です。ニューヨーク-ワシントンDC間を除けば運行本数も少なく、移動手段というより鉄道の旅を楽しみたい人向けでした。しかし、ブライトラインは1時間に1本の運行と使い勝手もよく、飛行機のように予約をしなくてもその場で乗ることも可能です。駅舎がそれぞれの町の中心部や便利なロケーションにあるのも大きなメリット(オーランドは国際空港発着)で、まさに日本の鉄道の感覚で利用できるのです。もし、2026年のWBCの開催地が今年同様マイアミだったら、お昼までオーランドのテーマパークで遊んで、そこからマイアミに向かってWBC観戦もできてしまうのです。

 ところで、トランプ前大統領がマイアミの連邦裁判所に出廷するところがTV放映されていましたが、マイアミの裁判所はなんとブライトラインのマイアミセントラル駅の目の前でした。その東隣が刑務所というのはなんと準備のいいことか!

米マイアミの変貌が半端ない!「フロリダ版新幹線」開業、高級感溢れる待合室に車内販売もブライトラインのマイアミセントラル駅。上はタワーマンションとオフィスビルになっている

 2023年春、侍ジャパンの優勝でおおいに盛り上がったマイアミ。優勝の余韻を楽しみつつ、久しぶりの海外旅行に、アートにあふれるマイアミはいかがでしょうか?

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 世界屈指のリゾート地、アメリカ・フロリダ州。マイアミ、キーウエスト、オーランドなどの都市、ビーチや国立公園を網羅。ウォルト・ディズニー・ワールドなどのテーマパークやケネディ宇宙センター、セブンマイル・ブリッジなどの情報も満載!

※当記事は、2023年7月28日現在のものです

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米マイアミの変貌が半端ない!「フロリダ版新幹線」開業、高級感溢れる待合室に車内販売も

※本記事は『地球の歩き方』からの転載記事です。